行政書士試験の時間配分、問題文の字数から考える

開いた問題冊子と腕時計、鉛筆と付箋を並べた試験の机のイラスト 行政書士

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模試や過去問を3時間で通すと、最後まで届かない。時間配分の目安を調べると、予備校によって数字が違う。どちらに合わせればいいか、迷うところです。

時間が足りなくなりやすいのは、行政法です。令和2〜7年度の問題文を数えると、行政法の19問だけで1年に約1万字ありました。予備校2社が公開している目安どおりに解くと、行政法は1分に261〜348字を読む計算です。民法・憲法・商法・多肢選択式はどれも151〜178字なので、行政法だけが1.5〜2倍の速さを求められています。

行政書士試験の時間配分、予備校2社の目安は行政法と基礎知識で分かれている

試験は午後1時から4時までの180分で、60問を解きます。アガルートと伊藤塾が、それぞれのコラムで時間配分の目安を公開しています。並べると次のとおりです。

科目・形式問題番号アガルートの目安伊藤塾の目安
基礎法学1〜25分5分
憲法3〜715分15分
行政法8〜2640分30分
民法27〜3530分30分
商法36〜4015分15分
多肢選択式41〜4315分15分
記述式44〜4620分25分
基礎知識(文章理解を除く)47〜5715分20分
文章理解58〜6010分20分弱
見直し—15分5分以上
表1 予備校2社が公開している時間配分の目安(アガルート・伊藤塾の行政書士試験の時間配分コラムより。2026年9月27日確認。伊藤塾は別案も示しているが、ここでは基本の目安を載せた)

民法・憲法・商法・多肢選択式は、2社とも同じ分数です。違うのは行政法(40分と30分)、記述式、基礎知識、文章理解。どれも経験からの目安です。なぜその分数なのかは、どちらにも書かれていません。

そこで、問題の側から確かめます。どの問題に、どれだけ読む量があるのか。

行政書士試験の問題文を数えると、行政法だけで1年に約1万字

実施団体が公開している令和2〜7年度の試験問題を、1問ずつ空白を除いて数えました。選択肢も含めた、試験中に読むことになる文字の量です。

行政書士試験の1問あたりの問題文の字数を問題番号の区切りごとに比べた図
図1 行政書士試験の1問あたりの問題文の字数(★この記事の集計。令和2〜7年度の平均)
区切り問題番号1問あたり1年あたり
基礎法学1〜2389字約780字
憲法3〜7533字約2,670字
行政法8〜26550字約10,440字
民法27〜35547字約4,930字
商法36〜40452字約2,260字
多肢選択式41〜43865字約2,600字
記述式44〜46382字約1,150字
基礎知識(文章理解を除く)47〜57371字約4,080字
表2 行政書士試験の問題番号の区切りごとの字数(★この記事の集計。「1年あたり」は1問あたりの平均に問数を掛けたもの。問題1と問題58〜60、ほか4問は公開されていないため、公開されている問の平均で推計した)

公開されている問題文は1年に約2.8万字あり、そのうち行政法の19問が約1.04万字と、37%を占めます。民法の9問は約4,900字なので、行政法は民法の2倍以上です。

1問あたりで最も長いのは多肢選択式の865字で、全体の中央値469字の1.8倍ありました。まとまった文章を読ませて、その中の空欄4つを埋めさせる形式だからです。逆に基礎知識の11問と記述式は、370〜380字台と短めです。

目安どおりに解くと、行政法だけ1.5〜2倍の速さで読む

1年あたりの字数を、表1の分数で割りました。目安の時間で解き切るには、1分に何字読むことになるかです。

行政書士試験で予備校の時間配分の目安どおりに解いた場合の1分あたりの字数を科目ごとに比べた図
図2 予備校の目安どおりに解くと、1分に何字読むことになるか(★この記事の計算)

民法・憲法・商法・多肢選択式・基礎法学は、2社とも1分151〜178字に収まっています。そこから外れるのが行政法で、アガルートの40分でも261字、伊藤塾の30分なら348字です。民法の2倍を超えます。

ほかの科目と同じ1分170字前後で行政法を読むなら、約61分かかります。どちらの目安よりも20〜30分長い計算です。時間が足りなくなるのは、ここだと考えられます。20分の差は大きい。

目安が行政法にだけ速さを求めているのは、条文の知識があれば選択肢を読んだ時点で判断できる問が多いからでしょう。問題11〜19の9問は、6年54問中53問が行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法で、とくに行政手続法と行政不服審査法は、ほぼすべてが条文を問う問題でした(行政書士の行政法、直前期はどこから読むか)。条文が頭に入っていれば、全部を読み込まなくても答えが出ます。

逆に言えば、条文があいまいなまま行政法に入ると、目安の時間では足りません。アガルート型の基礎知識15分も1分272字と速めです。ここは文章理解を10分に抑える前提の数字なので、文章理解に時間がかかる人は注意が要ります。

行政法の40分を、字数で割り振ると

行政法の19問にも、長い問と短い問があります。40分を字数に比例させて分けると、次のようになります。

問題番号主な中身1年あたり40分の割り振り
8〜10行政法の一般理論(判例が多い)約1,970字約7分30秒
11〜13行政手続法約1,500字約5分40秒
14〜16行政不服審査法約1,400字約5分20秒
17〜19行政事件訴訟法約1,700字約6分30秒
20〜21国家賠償法(すべて判例)約1,390字約5分20秒
22〜24地方自治法約1,330字約5分10秒
25〜26情報公開・判例の横断など約1,160字約4分20秒
表3 行政法の40分を字数で割り振った例(★この記事の計算。1分あたり約261字)

1問あたりで見ると、問題8〜10は657字、問題20〜21は697字と、行政法の中でも長い区切りです。最高裁判所の判例を素材にした問が多く、判決文をそのまま引用して読ませる問もあるためです。

一方、問題11〜19の条文の問題は1問466〜565字。ここで時間を貯めて、判例の長い問に回す。行政法の中での配分は、この順番で考えると組み立てやすくなります。

行政書士試験で解く順番を決める前に、動かせない決まりが4つある

時間配分や解く順番は、自分で自由に決められます。ただ、次の4つは実施団体の案内で決まっていて、動かせません。

決まり中身配分への影響
時計試験室に時計はない。腕時計か懐中時計1個を、机の上に置いて使う自分の時計がないと、配分そのものができない
基礎知識の足切り14問中6問(24点)未満は、ほかが満点でも不合格基礎知識を最後に回すなら、6問ぶんの時間を必ず残す
記述式の採点択一式の採点で合格基準に届かないと、記述式が採点されないことがある記述式に時間をかけても、択一を落とすと点にならない
試験時間午後1時から4時までの180分。60問見直しを含めて180分に収める
表4 配分を決める前に確かめる決まり(出典:行政書士試験研究センター「試験の概要」「合否判定基準」「行政書士試験のご案内」)

試験当日の持ち物と時計の扱いは行政書士の試験日にまとめました。足切りの6問をどの番号で取るかは行政書士の足切り、記述式が採点されない条件は行政書士の記述式にあります。

本番前に1回、自分の「1分あたりの字数」を測る

図2の数字は、目安の時間で解き切る場合の速さです。自分が実際に何字読めるかは、測れば分かります。

やり方は簡単です。過去問1年分の行政法19問(問題8〜26)を、時計を机に置いて解きます。かかった分数で約1万字を割ると、自分の1分あたりの字数が出ます。過去問は実施団体のサイトで6年分が無料で公開されています。

261字以上読めていればアガルート型の40分に収まりますが、届かないなら行政法に回す時間を先に増やし、その分をどの科目から削るかまで決めておきます。本番で慌てて決めるより、損はずっと少なくて済みます。

全体を通して測るなら、直前予想模試を1回、3時間で解くのが近道です。合格革命の商品ページには「本試験と同形式」と書かれています。

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2026年度版 本試験をあてる TAC直前予想模試 行政書士564ページ1,760円楽天 / Amazon
2026年版 出る順行政書士 当たる!直前予想模試446ページ1,760円楽天 / Amazon
表5 直前予想模試(2026年9月27日に楽天ブックスとAmazonで確認。価格は税込)

1回解いたら、区切りごとにかかった分数を書き出してください。図2と同じ計算を自分の数字でやると、どこで時間が溶けているかが見えます。模試をいつ何冊解くかは行政書士の予想問題集(直前模試)にまとめました。

よくある質問

行政書士試験の時間配分の目安は?

予備校2社の目安では、行政法に30〜40分、民法に30分、記述式に20〜25分をあてています。

時間が足りなくなるのは、どこですか?

行政法です。19問で1年に約1万字あり、予備校の目安どおりに解くと1分に261〜348字を読む計算になります。

自分に合った時間配分は、どう決めればいいですか?

本番前に1回、模試や過去問を3時間で解いて、自分の「1分あたりの字数」を測ります。その数字で区切りごとの分数を決めると、途中で配分が崩れにくくなります。

11月8日、午後1時に問題冊子を開いたとき

区切りごとの終了時刻を書いたメモを手元の時計に添えておけば、途中で配分を考え直す必要はありません。迷わずに済みます。行政法に入った時刻から40分後が、民法に移る目安です。

問題11〜19の条文の問を短い時間で通過できれば、その分を判例の長い問と多肢選択式に回せます。1分あたりの字数を一度測っておけば、自分に合う分数に置き換えるのも数分の作業です。

試験問題は、実施団体が公開している令和2〜7年度のものを2026年9月27日に確認し、字数を数えました。時間配分の目安はアガルート・伊藤塾のコラムを、書籍の価格は楽天ブックスとAmazonを同日に確認しています。試験の内容・価格は変わることがあります。受験の前には、実施団体の最新の案内をご確認ください。

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