行政書士試験の難易度は?公式データで見る合格率・合格基準・受験者層

テキストと虫眼鏡、チェックリストで試験の全体像を調べるイラスト 行政書士

行政書士に挑戦してみようか。そう考えたとき、まず気になるのは「自分に受かる試験なのか」ですよね。ネットには偏差値やランキングが並んでいて、どれを信じればいいのか迷います。

調べると、行政書士試験は他人と競う試験ではないことがわかります。合格の基準は点数で決まっていて、300点満点で180点などの3つの基準を満たせば、誰でも受かります。合格率がどう動いてきたか、誰が受けて誰が受かっているか、180点をどう組み立てるか。この3つが分かれば、あなたにとって現実的な試験かどうかは判断できます。

先に一つ断っておきます。行政書士試験に偏差値は公表されていません。「偏差値62」といった数字をよく見かけますが、実施団体である一般財団法人行政書士試験研究センターが出したものではありません。出どころが分からない数字で難易度を語っても、判断の材料にはならないので、この記事では使いません。

以下の数値はすべて2026年9月8日に、同センターの公表資料で確認したものです。

まず、行政書士試験の直近の実施結果を見る

令和7年度の試験は、令和7年11月9日の日曜日、午後1時から午後4時まで、47都道府県の62試験場で行われました。

項目令和7年度令和6年度前年度比
受験申込者数63,845人59,832人+4,013人(+6.71%)
受験者数50,163人47,785人+2,378人(+4.98%)
受験率78.57%79.87%−1.30ポイント
合格者数7,292人6,165人+1,127人(+18.28%)
合格率14.54%12.90%+1.64ポイント
合格者の平均得点197点198点−1点
表1 令和7年度行政書士試験の実施結果(出典:一般財団法人行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」)

合格率14.54%。この数字だけを見ると「7人に1人」という話になりますが、そのまま受け取ると読み違えます。分母が何なのかを先に確認しておきます。

申込んだ人の5人に1人は、受けていない

見落とされやすいのが受験率です。63,845人が申し込んで、実際に会場に来たのは50,163人。13,682人が欠席しています。

つまり14.54%は「受けに来た人の中での割合」です。申し込んだ人を分母にすると11.42%まで下がります。

ただ、この読み替えにはもう一つの意味があります。11月の試験日まで勉強を続けて会場に座った時点で、すでに2割が脱落しているということです。受験料10,400円を払ったうえで来ていないので、多くは「間に合わなかった」人でしょう。合格率を押し下げている要因には、試験の難しさに加えて、続かなかったという事情も混ざっています。

年度受験申込者数受験者数欠席者数受験率
令和7年度63,84550,16313,68278.57%
令和6年度59,83247,78512,04779.87%
令和5年度59,46046,99112,46979.03%
令和4年度60,47947,85012,62979.12%
令和3年度61,86947,87013,99977.37%
令和2年度54,84741,68113,16676.00%
令和元年度52,38639,82112,56576.01%
平成30年度50,92639,10511,82176.79%
平成29年度52,21440,44911,76577.47%
平成28年度53,45641,05312,40376.80%
表2 受験率の推移(申込者数と受験者数から算出。出典:同センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」)

10年を通して76%から80%のあいだで安定しています。突出した年はありません。毎年およそ2割が、申し込んだまま受けずに終わっています。

行政書士試験の合格率は10年で9.95%から15.72%まで動いている

年度受験申込者数受験者数合格者数合格率
令和7年度63,84550,1637,29214.54%
令和6年度59,83247,7856,16512.90%
令和5年度59,46046,9916,57113.98%
令和4年度60,47947,8505,80212.13%
令和3年度61,86947,8705,35311.18%
令和2年度54,84741,6814,47010.72%
令和元年度52,38639,8214,57111.48%
平成30年度50,92639,1054,96812.70%
平成29年度52,21440,4496,36015.72%
平成28年度53,45641,0534,0849.95%
表3 最近10年間の行政書士試験結果の推移(出典:同センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」)
行政書士試験の合格率の推移を示した折れ線グラフ。平成28年度9.95%から令和7年度14.54%まで
図1 合格率は10年で9.95%から15.72%のあいだを動いている(出典:行政書士試験研究センターの公表値をもとに作成)

最も低い平成28年度が9.95%、最も高い平成29年度が15.72%。この2年は連続しており、1年で5.77ポイント動いています。

「例年10%前後」という説明を見かけますが、直近4年は12.13%、13.98%、12.90%、14.54%です。10%台前半から半ばで推移していて、平成28年度のような1桁台はここ10年で1回だけです。

合格率が動く理由は、相対評価ではないから

年によってこれだけ動くのは、上位何%を合格させるという試験ではないからです。あらかじめ決められた点数に届いた人が、何人いても全員合格します。

この性質は、受験する側の戦い方を変えます。周りの出来を気にしなくてよくなるからです。自分が180点を取れば、他の受験者が何点であっても合格します。難しい年は合格率が下がり、易しい年は上がる。合格率の上下は、その年の問題の難しさが結果として表れたものだと考えれば十分です。

裏を返せば、「今年は受験者が少ないから狙い目」といった考え方は成立しません。競争率という概念がない試験だからです。

受験者数も合格者数も増えている

年度受験者数前年比合格者数前年比
令和7年度50,163+2,378人7,292+1,127人
令和6年度47,785+794人6,165-406人
令和5年度46,991-859人6,571+769人
令和4年度47,850-20人5,802+449人
令和3年度47,870+6,189人5,353+883人
令和2年度41,681+1,860人4,470-101人
令和元年度39,821+716人4,571-397人
平成30年度39,105-1,344人4,968-1,392人
平成29年度40,449-604人6,360+2,276人
平成28年度41,053—4,084—
表4 受験者数と合格者数の推移(出典:同センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」)

令和2年度に41,681人まで落ちた受験者数は、令和7年度には50,163人まで戻りました。5年で8,482人の増加です。合格者数も4,470人から7,292人へ、2,822人増えています。

受験者が増えても合格率が下がっていないところが、絶対評価の試験らしいところです。

行政書士試験は誰が受けて、誰が受かっているのか

ここが、行政書士試験のイメージと実態が最もずれるところです。

年代受験者数合格者数合格率
10歳代以下723669.13%
20歳代8,2941,51718.29%
30歳代9,9071,92319.41%
40歳代12,1611,86715.35%
50歳代12,3301,44511.72%
60歳代以上6,7484747.02%
合計50,163人7,292人14.54%
表5 令和7年度の年代別 受験者数・合格者数・合格率(出典:同センター「最近3年間における行政書士試験の受験者・合格者の属性」。合格率は受験者数と合格者数から算出)
行政書士試験の年代別の受験者数を棒グラフ、合格率を折れ線で示した図。30歳代の合格率が19.41%で最も高い
図2 人数の中心は40代・50代。合格率が最も高いのは30歳代(出典:同センターの公表値をもとに作成)

受験者の8割は30代以上

30歳代以上を合計すると41,146人。受験者全体の82.02%にあたります。合格者で見ても5,709人で78.29%です。

年代受験者に占める割合合格者に占める割合
10歳代以下1.44%0.91%
20歳代16.53%20.80%
30歳代19.75%26.37%
40歳代24.24%25.60%
50歳代24.58%19.82%
60歳代以上13.45%6.50%
表6 令和7年度行政書士試験の年代別構成比(出典:同資料より算出)

最も人数が多いのは50歳代の12,330人、次いで40歳代の12,161人です。この2つで受験者の約半分を占めます。一方、20歳代は8,294人しかいません。定年後の仕事として50代から目指す場合の時間と費用は、定年後に行政書士、50代から始めて間に合うかで計算しました。

学生が短期集中で取る試験というイメージがあるとしたら、数字はそう言っていません。働いている大人が受ける試験です。

合格率が最も高いのは30代

年代別の合格率を見ると、30歳代が19.41%で最も高く、20歳代の18.29%を上回っています。40歳代も15.35%で、全体平均の14.54%より上です。

年代令和7年度令和6年度令和5年度
10歳代以下9.13%10.63%8.20%
20歳代18.29%16.72%16.92%
30歳代19.41%16.72%17.84%
40歳代15.35%13.17%14.52%
50歳代11.72%10.09%11.45%
60歳代以上7.02%7.35%8.48%
表7 行政書士試験の年代別合格率の3年推移(出典:同資料より算出)

3年ともほぼ同じ形をしています。20代と30代が高く、年代が上がるにつれて下がり、60歳代以上は7%台まで落ちる。単年の偶然ではありません。

この形をどう受け取るかです。「仕事と両立する30代・40代は不利」という話には、少なくとも数字上はなっていません。むしろ最も受かっているのが30代です。人数の中心は40代・50代なので、母集団そのものが働いている世代でできています。

時間が取れないことは、行政書士試験では決定的な不利ではない。データはそう読めます。

男女の差は2ポイント程度

年度男性 受験者男性 合格者男性 合格率女性 受験者女性 合格者女性 合格率
令和7年度33,3135,09915.31%16,8502,19313.01%
令和6年度31,8874,44813.95%15,8981,71710.80%
令和5年度31,6404,63614.65%15,3511,93512.61%
表8 行政書士試験の男女別の受験者数・合格者数・合格率(出典:同資料より算出)

令和7年度は男性15.31%、女性13.01%で、差は2.30ポイントでした。受験者に占める女性の割合は33.59%です。

ただし合格者数の伸びを見ると、女性は前年から27.72%増えており、男性の14.64%増を上回っています。差は縮まる方向に動いています。

年齢の幅

区分最年長最年少
合格者77歳(1名)13歳(1名)
受験申込者94歳(1名)9歳(1名)
表9 令和7年度の年齢に関する記録(出典:同センター「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」)

受験資格に年齢・学歴・国籍の制限がありません。9歳が申し込み、13歳が合格しています。上は94歳が申し込み、77歳が合格しています。

この幅の広さは、裏を返せば前提知識を問わない試験だということでもあります。法学部を出ていることが条件になっていません。

行政書士試験は、試験地によって合格率が違うのか

受験地は住民票の住所と関係なく、全国どの試験場でも選べます。そうすると気になるのが、都道府県で合格率に差があるのかどうかです。

都道府県受験申込者数受験者数合格者数合格率
北海道1,8471,44821514.85%
青森県3052412811.62%
岩手県3682934113.99%
宮城県1,1098819911.24%
秋田県2421862111.29%
山形県282228208.77%
福島県557455459.89%
茨城県8256598012.14%
栃木県7796248313.30%
群馬県96176810713.93%
埼玉県2,6442,05427813.53%
千葉県2,7982,19635015.94%
東京都17,07413,1332,04815.59%
神奈川県3,0452,28632614.26%
新潟県7065707513.16%
富山県3973105216.77%
石川県442346349.83%
福井県2702233214.35%
山梨県2832392912.13%
長野県7356027612.62%
岐阜県7075648515.07%
静岡県1,4901,16917615.06%
愛知県4,0823,25149815.32%
三重県5744576313.79%
滋賀県6255037915.71%
京都府1,4961,13514712.95%
大阪府5,4364,31264514.96%
兵庫県2,4871,99828814.41%
奈良県7526349514.98%
和歌山県3703104815.48%
鳥取県1771381712.32%
島根県2431902211.58%
岡山県83067310315.30%
広島県1,19794515115.98%
山口県3642903612.41%
徳島県2622063316.02%
香川県4533616518.01%
愛媛県5184186214.83%
高知県1981662615.66%
福岡県2,5342,00925212.54%
佐賀県3642853612.63%
長崎県3552954414.92%
熊本県6715438615.84%
大分県3723033511.55%
宮崎県3262512811.16%
鹿児島県5394215513.06%
沖縄県7545947813.13%
合計63,84550,1637,29214.54%
表10 令和7年度 都道府県別試験結果一覧(出典:同センター「令和7年度行政書士試験/都道府県別試験結果一覧」)

最も高いのは香川県の18.01%、最も低いのは山形県の8.77%。差は9.24ポイントあります。数字だけ見れば「香川で受ければ受かりやすい」ように見えます。

ただし、上位県は分母が小さい

しかし香川県の受験者は361人です。富山県は310人、徳島県は206人。数百人の集団では、数人の増減で合格率が1ポイント以上動きます。

受験者2,000人以上の都府県だけを取り出すと、様子が変わります。

都道府県受験者数合格者数合格率
千葉県2,19635015.94%
東京都13,1332,04815.59%
愛知県3,25149815.32%
大阪府4,31264514.96%
神奈川県2,28632614.26%
埼玉県2,05427813.53%
福岡県2,00925212.54%
表11 受験者2,000人以上の都府県(出典:同資料より算出)
行政書士試験の都道府県ごとの受験者数と合格率の散布図。受験者が少ない県ほど合格率が上下に散らばる
図3 受験者が少ない県ほど大きく散る。合格率の差は難易度差ではなく母数の振れ(出典:同センターの公表値をもとに作成)

7都府県すべてが12.54%から15.94%のあいだに収まりました。差は3.40ポイントで、全国の9.24ポイントより大幅に狭い。都道府県差の正体は、母数の小ささによる振れです。

試験問題は全国で同一です。有利な試験地を探すことに意味はありません。通いやすい会場を選んでください。

なお東京都の受験者は13,133人で、全国の26.18%を占めます。4人に1人が東京で受けている計算です。

行政書士試験は何点取れば合格なのか

ここからが、難易度を自分の問題として考えるための部分です。行政書士試験は300点満点で、合格に必要な点数が毎年公表されています。

試験科目出題形式出題数満点
法令等択一式(5肢択一式)40問160点
法令等択一式(多肢選択式)3問24点
法令等記述式3問60点
法令等 小計—46問244点
基礎知識択一式(5肢択一式)14問56点
合計—60問300点
表12 令和7年度行政書士試験の配点(出典:同センター「令和7年度行政書士試験合否判定基準」)

法令等が244点、基礎知識が56点。配点の8割が法令等に寄っています。ここが主戦場です。

出題形式1問あたり内訳
5肢択一式4点—
多肢選択式8点空欄(ア〜エ)一つにつき2点
記述式20点—
表13 行政書士試験の1問あたりの配点(出典:同資料)

1問20点という配点は記述式だけです。5肢択一なら5問分。3問あるので、択一15問分に相当します。この重さが後で効いてきます。

基準は3つあり、すべて満たす必要がある

要件必要な得点満点必要な得点率
法令等科目の得点122点以上244点50.00%
基礎知識科目の得点24点以上56点42.86%
試験全体の得点180点以上300点60.00%
表14 合格基準点(出典:同センター「令和7年度行政書士試験合否判定基準」)

この3つは「いずれか」ではなく「いずれも」です。全体で200点取っていても、基礎知識が20点なら不合格になります。足切りが2か所ある試験だと考えてください。

基礎知識の24点は、1問4点なので14問中6問の正解にあたります。配点は全体の2割弱しかないのに、ここを落とすと法令等でどれだけ稼いでも届きません。配点の小さい科目に落とし穴があるという構造です。14問の中身を6年ぶん数えて、どの番号で6問を取るかを行政書士の足切りに書きました。

法令等の122点は244点の半分ちょうど。全体の180点は300点の6割ちょうど。数字がきれいなので覚えやすいはずです。

合格者は平均で197点を取っている

項目点数300点に対する得点率
合格基準点180点60.00%
令和7年度 合格者平均得点197点65.67%
令和6年度 合格者平均得点198点66.00%
基準点との差(令和7年度)+17点+5.67ポイント
表15 行政書士試験の合格基準と合格者平均得点(出典:同センター公表値および同値から算出)

合格者の平均は、基準から17点ほど上に集まっています。180点を目標にすると、上振れも下振れもあるなかで下に外れた人が落ちる。200点を目標にして180点で着地するという設計のほうが、実際の分布に近いということです。

180点をどう作るか

ここからは公表資料を離れ、配点表から計算した組み立て方に入ります。使っている数字は配点と基準点なので確かめられますが、どこで何点取るかの配分は一つの考え方にすぎません。

記述式を除くと満点は240点

最初に押さえたい数字があります。記述式3問を除いた満点は240点です。

出題形式満点
法令等 5肢択一式160点
法令等 多肢選択式24点
基礎知識 5肢択一式56点
合計240点
表16 記述式を除いた場合の満点(配点表から算出)

ここで1点も取れない前提を置くと、残り240点で180点を取ることになります。必要な得点率は75.00%。択一で4問に3問です。かなり厳しい水準になります。

逆に、記述式で60点の半分にあたる30点を見込めるなら、残りで必要なのは150点。240点に対して62.50%まで下がります。その30点が取れる形かどうかは、公表されている正解例18問を並べた行政書士の記述式で確かめられます。

記述式の得点択一等で必要な点数240点に対する必要得点率
0点180点75.00%
10点170点70.83%
20点160点66.67%
30点150点62.50%
40点140点58.33%
60点120点50.00%
表17 記述式の得点が全体に与える影響(配点表から算出)

記述式を捨てる戦略が成立しにくいのは、この差のためです。3問しかない設問が、択一全体に求められる精度を12ポイント以上動かします。

組み立ての一例

60点中24点と控えめに見積もった場合、たとえばこういう積み方になります。

出題形式正解数得点基準の達成
法令等 5肢択一式40問中28問112点—
法令等 多肢選択式12空欄中8つ16点—
法令等 記述式—24点—
法令等 小計—152点122点以上を達成
基礎知識 5肢択一式14問中8問32点24点以上を達成
合計—184点180点以上を達成
表18 180点を超える得点配分の一例(★公表資料ではなく、配点表から組んだ試算)

5肢択一で40問中28問、7割です。基礎知識は14問中8問。これで3つの基準をすべて満たします。

満点を取る試験ではありません。4割近く間違えても合格します。この感覚を最初に持てるかどうかで、教材の選び方も勉強の順番も変わってきます。

行政書士試験の3時間をどう使うか

試験時間は午後1時から午後4時までの3時間、180分です。出題数は60問。

出題形式問題数仮に割り当てる時間1問あたり
法令等 5肢択一式40問100分2分30秒
法令等 多肢選択式3問15分5分
基礎知識 5肢択一式14問35分2分30秒
法令等 記述式3問25分8分20秒
見直し・マークの確認—5分—
合計60問180分平均3分
表19 時間配分の試算(★配点表と試験時間から組んだ試算。公表資料ではありません)

単純に割れば1問3分ですが、記述式に20点分の重みがある以上、そこに時間を残す必要があります。択一を2分30秒で処理できるかどうかが、記述式に使える時間を決めます。

これは知識の量とは別の能力です。過去問を解くときに時間を計る意味は、ここにあります。

行政書士試験の中身と、受験の基本情報

科目出題数内容
行政書士の業務に関し必要な法令等46題憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法を中心とする)、民法、商法、基礎法学
行政書士の業務に関し必要な基礎知識14題一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解
表20 行政書士試験の試験科目(出典:同センター「試験の概要」)

基礎知識は令和6年度から現在の形になりました。それ以前は「一般知識等」という名称で、範囲も異なります。令和5年度以前の教材や体験談を読むときは、ここが変わっていることを頭に置いてください。

法令については、試験を実施する日の属する年度の4月1日時点で施行されている法令から出題されます。教材の対応年度にこだわる理由は、この一文にあります。中古の前年度版を買うと、改正部分がそのまま失点になります。条文そのものを読む必要があるかどうかは、設問文を6年分数えた行政書士の六法・判例集は必要かで科目ごとに分けています。

項目内容
受験資格年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できる
試験日毎年1回、11月の第2日曜日
試験時間午後1時から午後4時まで(3時間)
試験地全国。現在の住まいや住民票の住所に関係なく、全国の試験場で受験できる
試験場47都道府県62試験場(令和7年度実績)
試験場所の公示毎年7月の第2週
受験手数料10,400円
出題形式法令等は択一式および記述式、基礎知識は択一式
試験の方法筆記試験
実施団体総務大臣指定試験機関 一般財団法人行政書士試験研究センター
表21 受験の基本情報(出典:同センター「試験の概要」および「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」)

受験手数料は一度払い込むと、地震や台風などで試験が実施されなかった場合などを除いて返還されません。

試験地の公示が7月の第2週、試験日が11月の第2日曜日。会場が分かってから本番まで4か月しかありません。逆算すると、勉強を始めるタイミングは公示より前になります。日程の全体は行政書士の試験日に、申込みの期間から合格発表まで並べてあります。

よくある質問

行政書士試験の合格率はどのくらいですか?

過去10年で9.95%から15.72%の間で動いています。令和7年度は50,163人が受けて7,292人が合格し、合格率は14.54%でした。

行政書士試験の偏差値はいくつですか?

偏差値は公表されていません。実施団体が出している数字ではないので、見かける偏差値は各サイトが独自に付けたものです。

何点取れば合格しますか?

300点満点で180点以上、法令等で122点以上、基礎知識で24点以上の3つをすべて満たすと合格です。他の受験者との比較で決まる試験ではありません。

働きながらでも受かりますか?

受験者の8割は30代以上で、人数の中心は40代と50代です。働きながら受ける人が中心の試験なので、勉強時間をどう確保するかが分かれ目になります(行政書士の勉強時間)。

結局、行政書士試験の難易度をどう見るか

ここまでの数字を並べ直します。

  • 合格率は直近10年で9.95%〜15.72%。令和7年度は14.54%
  • 上位何%を合格させる試験ではない。180点を取れば全員が合格する
  • 申込者の約2割は受験していない。受験率は10年間76〜80%
  • 受験者の82.02%が30歳代以上。人数の中心は40代と50代
  • 合格率が最も高いのは30歳代の19.41%。40歳代も全体平均を上回る
  • 都道府県による合格率の差は、受験者2,000人以上に絞ると3.40ポイントに収まる
  • 基準は3つ。法令等122点・基礎知識24点・全体180点をすべて満たす必要がある
  • 基礎知識は14問中6問取れないと、他が満点でも不合格になる
  • 合格者の平均得点は197点で、基準より17点上
  • 記述式を0点と見込むと、残り240点で75%が必要になる

数字から読めるのは、努力の総量より設計で決まる試験だということです。相対評価ではないので他人と競う必要がなく、代わりに3つの基準を同時に満たす組み立てが要ります。配点の小さい基礎知識で6問取れなければ、法令等が満点でも終わります。

そして受験者層を見れば、これは働いている大人が受ける試験です。1日中勉強できる人が有利になる形にはなっていません。むしろ30代・40代の合格率が全体平均を上回っています。時間が取れないことは、行政書士試験では決定的な不利ではない。

4割近く間違えても受かる試験を、どの4割を捨てるかという問題として捉え直せるかどうか。難易度の実体は、そこにあります。

ここまで行政書士だけを見てきましたが、行政書士試験が他とくらべてどうなのかは、また別の問いです。宅建・社労士・司法書士との違いは行政書士・宅建・社労士・司法書士の難易度を比べる|公式データで見る4つの違いにまとめました。合格率だけでは比べられない理由も、そちらで書いています。

独学で届くのかどうかは行政書士は独学で受かるのか|公式データから見る、始める前の判断材料にまとめました。教材の選び方は行政書士のテキストと過去問|300点の設計から逆算してそろえるにまとめています。必要な勉強時間の見積もりは行政書士の勉強時間は800時間?に、通信講座を使う場合の費用は行政書士の通信講座は独学と何が違うのかに、科目ごとの配点は行政書士の科目別の配点にまとめました。

この記事の数値は2026年9月8日に、一般財団法人行政書士試験研究センターの公表資料で確認しました。制度、日程、手数料は変更されることがあります。出願の前には必ず同センターが公表する最新の内容をご確認ください。

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